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潜在的な対米直接投資企業として、どのような手順で対米進出のための作業をすすめればよいかという点について、次のとおり分かりやすく順を追って説明したい。 最初に、対米直接投資を推進したい企業は、ある程度目星をつけた地域の投資環境に関する情報を収集することから始めなければならない。現地の情報収集を進めるには、全米50州のうち、約半数の州が日本に事務所を設置しているので、こうした事務所を通じて、必要な情報を無料で迅速にしかも効率的に収集することができる。もし、これら州政府の日本事務所に必要な情報がなければ、すぐに現地へ問い合わせて、約1週間程度で必要な情報を収集してもらうことができる。 さて、潜在的な対米直接投資企業が必要な情報とは、いったいどのようなものであろうか。それは、どこに進出したらよいかを決定するための、いわゆる進出候補地に関する情報であろう。つまり、大まかに言って、工業団地や空きビルに関する情報、各州の税務制度に関する情報、技術労働者の有無に関する情報、高速道路などの交通の利便性に関する情報などであろう。これらの情報は、各州政府の日本事務所を通じて、1州当たり約10か所ないし20か所の情報を収集することになろう。 次に、各州政府の日本事務所を通じて収集したこれらの情報を分析して、十分に比較検討し、各州の候補地として約5か所ないし6か所に絞り込み、全体では20か所ないし25か所程度に絞り込む必要がある。 候補地の絞り込み作業が終了した段階で、いよいよ現地調査の段階にいたる。現地調査をおこなうには、各州政府の日本事務所がすべての日程のアレンジメントを無料で代行してもらえるので、これらのサービスを大いに利用することである。現地調査は、視察すべき場所の距離にもよるが、1日3か所ないし5か所を視察することが可能であろう。1日5か所を視察できるとすれば、1週間に約25か所を視察できることになる。 現地調査を終えた後、さらに候補地の絞り込み作業をおこない、全体で5か所ないし6か所に絞り込み、再度、現地調査をおこない、さらに厳選して、最終的な候補地を決定することになろう。あるいは場合によっては、さらにもう一度現地調査をおこない、最終候補地を決定することになろう。 この間の時間的な経過は、それぞれの進出企業の各種の条件に左右される。短い期間内の海外進出の例では、約1年ないし2年を要するが、長期的な海外進出プロジェクトになると約10年を要するものもある。しかしながら、そうした期間のうちには、企業内の人材の配置転換や財務条件などが存在するであろうが、企業内のエネルギーを最小限に抑えるには、やはり短い期間で海外進出を終える方が企業にとって得策であるといえよう。
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